アメリカのラーメンブームはどこに向かうのか?大胆にも未来予想してみました!

立ち並ぶ高層ビルを背景にしたラーメンのイラストレーション

全国のラーメンファンの皆様、こんにちは!本日は当ブログ記事のためにとっておきのトピックを用意してきました。実は以前、当ブログでは「アメリカでラーメンブームが起きた理由」と題して記事を投稿したのですが、この記事に対して非常に大きな反響をいただきました。私たちだけでなく、皆さんも同様に心のどこかで「なぜラーメンがここまでアメリカで広まったのだろう?」ときっと疑問に思っていたのではないでしょうか?この記事を執筆するために調査を行った結果、ラーメンブームが起きた理由にはさまざまな要因が複雑に絡み合っているということが分かりました。昨今のラーメンブームが気になる方は、是非一読することをお薦めします!
そして以前の記事を執筆してからしばらく経ち、ふと私たちに「ところで以前紹介したラーメンブームって、今はどうなっているの?」という新たな疑問が湧いてきました。以前の記事を執筆したのは今から約一年前ですので、おそらくそのころからラーメンを取り巻く状況も変わっているかもしれません。そこで急遽ラーメンブームの最前線を確認し皆様にお伝えすべく、本日のトピックをご用意させていただきました。また、以前の記事ではラーメンブームの未来についても簡単に触れさせていただきましたが、今回はその点についても深く掘り下げてみました。非常に読み応えのある内容になっているかと思いますので、是非お楽しみください。
それでは早速始めましょう!

 

  • Index

 

■ラーメンブームの現状は?

2000年代から本格的に始まったアメリカでのラーメンブームですが、「このブームはいつまで続くの?」という質問を耳にすることがあります。この質問に対する私たちの見解を先にお伝えすると、ラーメンはもはや一過性のブームではなく外食やご家庭での食事の選択肢として定着している、と言えるのではないでしょうか。私たちがそのように考えるに至った理由を、以下にいくつか述べていきたいと思います。
まず一つ目の理由としては、ラーメンとほぼ同時期に米国内で浸透し始めた日本のポップカルチャーの発展があげられます。特に日本のアニメに関しては、近年は大人も楽しめる複雑なストーリーが評価されており、そのこととCrunchyRollやNetflixなど視聴できる環境が整ったこととの相乗効果で、一部のファンだけではなく幅広い年齢層からなる一般視聴者層の獲得に成功しています。そうしたアニメをはじめとする日本のポップカルチャーを好む人々は、ラーメンを「日本のポップカルチャーを象徴する食べ物」としてとらえる傾向があるようです。よって、日本のポップカルチャーブームが継続する限り、ポップカルチャーを支持する層から得られるラーメン人気も衰えることがないのではないかと思われます。
二つ目の理由は、昨今のインフレーション並びに物価上昇が原因となり、低価格でおいしく食べられるインスタントラーメンに、再度注目が集まっている点があげられます。カップヌードルの販売元である日清食品によると、2022年度第4四半期の売り上げは前年度比で41%も増加したようです。このことが、ラーメン業界全体の活性化を改めて促進することに繋がっていると言えるのではないでしょうか。
最後に三つ目の理由は、ラーメンそのものが持つ特性である、あらゆる食文化や宗教上のタブーに適応できるフレキシビリティです。ラーメンは豚や鶏で出汁を取ったスープと、小麦粉で練った麺並びに各種具材で構成された食べ物ですが、ベジタリアンの方のために食材を植物性の物のみに厳選して、ベジタリアンラーメンを作ることも可能ですし、宗教上豚肉が食べられない場合には、鶏や魚介出汁でスープを取り、チャーシューの代わりのたんぱく源を考案することもできます。このような柔軟性を持つラーメンは、全世界で人気を博しているピザのように、様々な食文化にアジャスト可能という特性を備えているといえます。
以上、3つの理由を合わせて考えると、ラーメンに対する注目度は衰えることを知らず、また、ラーメンの持つ柔軟性がより多くのファンを獲得することに貢献し、その相乗効果でラーメンブームがさらに続いていくことが予想されます。ひょっとしたら、ラーメンが米国での新たな定番メニューとなる日も、そう遠い未来ではないのかもしれません。

 

■ラーメンブームの未来

次に、これからも継続していくであろうラーメンブームの中で具体的にどのようなことが起こりうるのか、誠に勝手ながら独断と偏見で未来予測を行ってみたいと思います。異論反論もあるかと思いますので、この記事をきっかけに、皆様のご意見もお聞かせいただけましたら非常に嬉しく思います。それではいってみましょう!
 

#1. オンラインオーダー対応ラーメン店の浸透

スマートフォンのフードデリバリーアプリ

 

コロナ期に需要が急成長したオンラインフードデリバリー市場ですが、コロナが沈静化した2023年以降においてもレストランでオンラインオーダーをする習慣は(ピックアップオプションも含めて)ユーザーにとってかなり定着したと言えるでしょう。そのような状況下では、今後開店を検討するラーメン店がオンラインオーダーを実装することは必須となったといえそうです。ラーメンは麺が伸びやすくスープが冷めやすいことから、他のメニューに比べて、味の品質を保ちながらテイクアウトをしていただくことが難しい商品だと言えます(参照: フードデリバリー日米比較:ラーメンデリバリーもここまで進化しました!)。しかし昨今は容器の改善もあり、自宅に持ち帰ってもお店で食べるのとほぼ同等のクオリティのラーメンを提供することが、徐々に可能になってきています。自宅でもおいしいラーメンを食べられることが、ラーメンブームを更に盛り上げる要因になっていると予想されます。

 

#2. 全米ラーメンチェーンの登場

店舗チェーン展開のコンセプトイメージ

 

これまでラーメン店の多くは、比較的日本人の多く住むロサンゼルスやニューヨークに出店される傾向がみられました。ところが最近では、あまり日本人が多くないアリゾナ州やコロラド州でも、ラーメン店が増えてきました。これは、日本人のラーメンニーズに頼らずとも、アメリカ人のラーメンニーズを想定する形でラーメン店がオープンしていることを意味しており、それくらいラーメン人気が全国に広まってきているのだと実感させられます。そうしたラーメンのポテンシャルを見込んで、今後多くのラーメン事業が全米フランチャイズ化を目指すのではないかというのが、私たちが予想するところです。様々な事業が現時点ですでに全米フランチャイズ化に名乗りを上げていますが、その中でも最有力なのが「Jinya Ramen Bar」ではないでしょうか。2023年3月時点で全米とカナダを合わせて52の店舗を持つJinya Ramen Barは、今後年間25店舗を展開することを目標としており、すでに2023年は10から15の店舗が、2024年には25店舗が開店することが見込まれています。この調子でJinya Ramen Barがフランチャイズを全国展開することができれば、近い将来、全米のどの州でもラーメンを気軽にレストランで食べることができるようになるのではないでしょうか。

 

#3. とんこつラーメンに続く新たな人気ラーメンの登場

天下一品のラーメン
天下一品
Image by ©Fabian Reus Flickr.com

 

醤油や味噌などラーメンスープのバリエーションは数多くありますが、その中でも米国内でひと際人気を集めているのが、とんこつラーメンです。その人気に関して明確な理由を特定するのは難しいですが、とんこつラーメンが持つ濃厚な味わいが人気の秘訣だとすれば、同様に濃厚な味わいを持つ他のラーメンが新たな人気を博する可能性があるのではないでしょうか。そこで私たちが考える、とんこつラーメンの人気に匹敵する新たなラーメンは、ずばり「天下一品」のラーメンです!天下一品が提供するラーメンはとんこつラーメンとは異なり、鶏ガラと十数種類の野菜をじっくり炊き出したものとなってます。そのこってりとしたスープは日本でも熱狂的なファンを生み出しているほどで、そのスープがどれだけこってりとしているかは以下の動画からお分かりいただけるかと思います。

 

 

実は天下一品はすでにハワイに出店されていますので、米国本土への展開も夢ではありません。もし天下一品が米国本土に展開した暁には、すでにとんこつラーメンで濃厚なスープの虜になったファンから、新たな支持を集めることはきっと間違いないでしょう。

 

#4. 「味変」の浸透

ラーメン屋の調味料

 

もし「味変」という言葉を知っているとしたら、あなたはかなりのラーメン通です!ご存じない方のために説明すると、「味変」とは提供されたラーメンをまずはそのまま味わい、その後、卓上の調味料を用いて徐々に自分好みの味付けに調整していくラーメンの楽しみ方で、日本のラーメンファンの間では人気の高い食べ方です。ラーメン店でよく提供されている調味料は、おろしニンニクやショウガ、ラー油やごま油、お酢、豆板醤などです。また、調味料だけではなく、麺を食べ終わったスープにご飯を投入して、リゾットのように食べることを推奨するラーメン店も増えてきており、私たちはこれも広義の「味変」ととらえています。こうしたサービスはアメリカのラーメン店でも徐々に浸透してきており、最終的には味変を行うことが前提のラーメンを提供するお店が増えてくるのではないかと予想しています。

 

#5. 米粉で作られた麺を使用したラーメンの人気上昇

米粉から作られた麺を使用したラーメン

 

現在日本では、ラーメンの麺を作るうえで必要な小麦粉の価格高騰に伴い、自給自足可能な米粉の利用が推進されています。また日本では、米粉から作られた麺を使用したラーメンを提供する、ビーガン・ベジタリアン向けのラーメン店も増えており、米粉推進の流れがこうしたベジタリアンラーメンを提供するお店の増加を、さらに促すことが予想されます。グルテンフリーが注目されているアメリカにおいて、そうした日本のラーメンが上陸することで、広く受け入れられる可能性が高いと私たちは考えています。
参考までに、日本でグルテンフリーの麺を提供するラーメン店を以下にご紹介しますので、興味のある方は日本へ行かれる際に、是非これらのお店も訪問してみてください。

 

#6. 日本における韓国食ブームの影響を受けたラーメンの登場

辛ラーメン

 

2000年初頭から始まった日本での韓流ブームですが、ブームと鎮静化を繰り返して、現在はなんと第四次の韓流ブームが訪れていると言われています。日本で若者に人気の街も、かつての原宿から韓国料理の店が立ち並ぶ新大久保に大きくシフトしており、そのブームの熱狂ぶりがうかがえます。食に関しては、映画「パラサイト」で話題になった「チャパグリ」に代表されるような、映画やドラマの登場人物が日常的に食しているようなインスタント麺に特に注目が集まっているのが第四次韓流ブームの特徴と言えます。また「ロゼラーメン」と呼ばれるトマトクリームに唐辛子を加えたマイルドな味わいのスープを用いたラーメンが韓国でブームになると、それがすぐ日本にも飛び火して人気を集めるなど、日韓の食文化は以前と比べてかなり密接なものとなっています。このように日本での韓国ブームは、もはや一過性のものではなくすっかり定着したといえそうです。ここで検討したいのが、こうした日本での韓流ブームをきっかけに生まれる新たなラーメンの可能性です。現時点では韓国で人気のグルメはそのまま日本で受け入れることがほとんどでしたが、改善好きの日本人の国民性から想像するに、おそらく今後はこうした韓国の人気料理からインスパイアを受けた独自のラーメンを生み出す可能性もあるのではないかと考えられます。そうして生まれたラーメンが日本で人気を博した暁には、アメリカでもSNSなどを通じて拡散されるのではないでしょうか。

 

■結論

今回はラーメンブームの現状を検証したうえで、今後起こりうる未来予測を大胆にも行ってみました。皆様はどのような感想をお持ちでしたでしょうか?もし「こんな未来もあり得るんじゃないかな?」など別の見解がありましたら、是非私たちにも教えてください!個人的に今回の調査で確信したことは、ラーメンを取り巻く様々な動きは引き続き盛り上がりを見せており、こうした流れは当分止むことはなさそうだ、ということです。これだけ多くの人々の注目を集め続けるラーメンって、やはりただものではないですね!
なおラーメンに関する未来予測に関しては、記事内での紹介からは漏れましたが以下のようなことも起こりうるのではないかと考えましたので、この場をお借りして共有させていただきます。こちらに関しても皆様のご意見をお聞かせください!

・「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」など、人気アニメとラーメンのコラボ商品の発売
・Ivan Orkinなどラーメン業界のスターシェフとラーメンメーカーとのコラボ商品の発売

それでは本日の記事はここまでとなります。次回もラーメンファンの方々に楽しんでいただけるような記事を用意してますので、是非楽しみにしていてください!

 

Reference links:

【町田啓太が超解説】なぜ日本ラーメンが世界で大ブームに? – 漫画家イエナガの複雑社会を超定義 – NHK
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BLOG: Top-ranked global cuisines Americans love to eat in 2023 – The Business Journal
Can Ramen Conquer Fast Casual? | QSR magazine
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