【第3弾】続編:ラーメンシェフが解説!麺のコシを左右する、かんすいとは?


今回のスタッフブログは、「ラーメンシェフが解説!」シリーズ第3弾。第2弾に続き、ラーメンの麺作りに欠かせない、かんすいについて解説していきます。前回のブログでは、麺を作る際の一つの材料として、麺のコシを生み出すかんすいをご紹介しました。今回のブログでは、さらにかんすいについて深掘りし、かんすいの種類やその作りについて見ていきましょう!


Keizo Shimamoto

Ramen Burger発案者。Ramen Shack経営。
日本でのラーメン修行中に出会ったチャーシューを使用したバーガーに影響を受け、アメリカでRamen Burgerを発案し大ヒット。
ラーメンを知り尽くし、ラーメン作りに情熱を注ぐ。自他ともに認めるラーメンフリーク。

 

  • 目次

 

かんすいと専門業者

かんすいには、粉末かんすいと液体かんすいの2種類があります。ほとんどのラーメン店で使われている業務用の麺では、主に粉末状のかんすいが使用されています。この粉末状のかんすいは、かんすい専門業者が製造していることが多く、ラーメン店や製麺業者が、かんすいを独自にブレンドすることはほとんどありません。 これは、かんすいの原料を「人が食べても安全なようにするため」というのが一番の理由です。

 

かんすいの原料と赤かんすい

ここで、かんすいの原料と、実際に麺づくりに使用されるかんすいの種類を見てみましょう。かんすいの主な原料は、炭酸カリウムと炭酸ナトリウムです。また、様々なブレンドのかんすいがある中でも一般的なのは「赤かんすい」と呼ばれるものです。こちらは、炭酸カリウム60%、炭酸ナトリウム40%の割合で構成されています。この比率はラーメンの麺として一般的な比率とされており、おそらく多くの麺がこの比率のかんすいで作られているでしょう。

 

伝説のかんすい”蒙古王かんすい”

次に“伝説のかんすい”とも呼ばれる、「蒙古王かんすい」をご紹介しましょう!このかんすいも、業務用の麺に使用される一般的なかんすいです。“蒙古王”という名前にとてもインパクトがありますが、これは約1,700年前に内モンゴルの湖で発見されたものです。内モンゴルの奥地に広がる湖から湧き出る水で小麦粉をこねると、生地に弾力が生まれることを発見したことから有名になりました。「蒙古王かんすい」を使った麺は、スープが濁りにくく、美しいツヤ・なめらかなコシ・上品な風味が出ておいしいとラーメン通の方々にも評判になっています。

 

さて、様々なかんすいがある中でも、まずはこの2種類のかんすいを使って、自分に合ったブレンドを作ることができます。 一般的に、炭酸カリウムが多いほど硬い麺になり、炭酸ナトリウムが多いほど柔らかい麺になります。 ラーメンのレシピを開発する際には、これらを念頭に置いておくとよいでしょう。

 

その他のかんすいと原料

最後に、その他のかんすいの種類と原料をご紹介し、今回のブログのまとめとしたいと思います。先にご紹介した「赤かんすい」「蒙古王かんすい」を含めて、一般的なかんすい5種類の原料を表にまとめています。

かんすいの原料には、炭酸カリウム・炭酸ナトリウムの他に、下記のようなものが使用されています。

•リン酸水素二ナトリウム
•ピロリン酸四ナトリウム
•ポリリン酸ナトリウム

かんすいの技術は麺とともに進化し、これからも麺のあり方を変えていくことでしょう。
第1~3弾では、3章にわたってラーメンの麺づくりについて解説をしてきました。ぜひ次回ラーメンを食べる際には、ラーメンシェフのこだわりを感じてみてくださいね。

Myojo × Keizo Shimamoto

 

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