【日本ご当地ラーメン】製麺会社が解説!日本人も意外と知らない、「沖縄そば」の秘密

近年、アメリカでは空前のラーメンブームも相まって、豚骨や醤油スープベースの日本スタイルのラーメンを提供するレストランが増えてきました。また、うどんやそばなども日本の伝統的な麺としてアメリカで着実に知名度を上げていると思われます。しかし、実は日本にはまだまだアメリカでは知られていない、郷土色豊かな独特の麺文化がたくさん存在します。日本の本格的なラーメンをアメリカに住む皆さんへお届けすることが目標の明星USAにも、地域ならではの味を味わえる商品があります。それが、ご当地ラーメンシリーズです。沖縄そば・長崎ちゃんぽん・札幌味噌ラーメンの3商品を取り揃えており、「アメリカでも日本のおいしい麺を楽しめる」と嬉しい声をいただいています。本日はそのようなユニークな麺文化の中から、日本最南端県である沖縄県発祥の「沖縄そば」を紹介したいと思います。これを押さえておけば大丈夫!な、沖縄そばの基本の作り方や、具材、麺の種類を詳しく解説していきます。

 

  • 目次

 

■沖縄そばとは?

沖縄そばとは、その名前が示す通り沖縄県の郷土料理の一種です。その名前に「そば」が含まれていますが麺にそば粉を一切使用しておりません。小麦粉にかん水を練りこむことで作られるため、その製法はラーメンの麺と似ています。麺の形状は提供される地域によって様々ですが、大きく「平打ち麺」「縮れた太麺」「細めん」に分かれ、歯ごたえとコシがあるのが特徴です。また、茹でた後に油をまぶす点がラーメンの麺との大きな違いを生んでいます。これはもともと冷蔵庫のない時代に保存性を高めるために行っていた工程になりますが、このことが沖縄そば独特の触感を生んでいます。

スープは、基本的には豚骨とかつお節をベースにしています。その比率によってこってり味になるかあっさり味になるかが決まるようです。

具材は、代表的なものとしては以下のものがあげられます。

  • 三枚肉(皮付き豚のバラ肉を砂糖醤油でじっくり煮込んだもの)
  • しょうが(紅ショウガ)
  • かまぼこ
  • 島ねぎ(Scallionの一種)

こうして出来上がった沖縄そばは、日本本土で生まれたラーメンのいずれとも似ていないユニークなものとなっています。これは主に、沖縄が日本本土から離れている島であるため、日本本土のラーメン文化の影響を受けなかったという地域的特性を持っているからだと思われます。こうして上記のような独特の「沖縄そば」が、地元沖縄で愛されながら現在まで受け継がれています。近年、沖縄郷土料理としての「沖縄そば」は、「ゴーヤチャンプルー」「海ぶどう」とともに日本全国で知名度も高く、今では日本本土でも沖縄そばが食べられるレストランを気軽に見つけることができます。

■沖縄グルメ

沖縄そばを詳しくご紹介する前に、まずは沖縄の食「沖縄グルメ」をご紹介!ひとくくりに日本といえども、沖縄には独自の食文化があります。また、年間を通して暖かい南国の島・沖縄では、暖かい土地ならではの食材も豊富。その食文化と美しい自然に魅了され、日本国内のみならず海外からも多くの方が旅行に訪れる、観光地として知られています。

沖縄旅行で食べたいご当地グルメ
・沖縄そば(ソーキそば)
まずはやっぱり、沖縄そば。地域によって様々なアレンジがあり、沖縄で訪れる地域ごとにその場所ならではの沖縄そばが味わえるのが楽しみの一つです。

・ゴーヤーチャンプルー
チャンプルーとは「ごちゃまぜ」という沖縄の方言。基本は、豆腐と一緒に食材を炒めた料理です。沖縄野菜のゴーヤーと一緒に味わいます。

・タコライス
一見、メキシコ料理のタコスに名前が似た料理ですが、タコライスは沖縄発祥とされる食べ物です。ご飯の上に、レタス、トマト、味付けしたひき肉、チーズをのせて食べる、ピリ辛がやみつきになる一品。

・ジーマミー豆腐
「落花生」を意味するジーマミー。落花生の風味に加え、普通の豆腐に比べて、もちっとした歯ごたえがあるのが特徴です。

沖縄のお菓子
・ちんすこう
小麦粉、砂糖、ラードの3種類の材料で作られるシンプルなお菓子。サクサクとした食感で、沖縄旅行の定番お土産として人気です。

・サーターアンダギー
油でふっくらと揚げた丸いお菓子。外側はサクッと、中はふんわりとした食感に、砂糖のやさしい甘さが加わった、沖縄風のドーナツです。

このように、独自の食文化を持つ沖縄。日本のご当地ラーメンの中でも、特別な存在感のある「沖縄そば」とは、どのような料理なのか詳しく見ていきましょう。

■沖縄そばの歴史

現在では地元沖縄県での沖縄そばの消費量は1日15万食以上、沖縄そばを提供する専門店は300以上と、沖縄県民に広く愛されている沖縄そばですが、その歴史をたどると古くは450~500年前に琉球王国の宮廷料理にまで遡ります。ちなみに琉球王国とは15世紀から19世紀までかつて沖縄を中心に存在していた王国です。その当時の琉球王国は中国との交易が盛んであったために、その際に中国の麺食文化が伝わったとされています。ただし、その当時は宮廷料理として供されることが主だったために、一般の口に入ることは稀だったと思われます。

沖縄で沖縄そばを提供するレストランが増え一般の人が沖縄そばを口にするようになったのは、明治後期以降とされています。ただしその時のスープは醤油ベースのものが主で、そこから沖縄県民の味覚に合うように改良が重ねられた結果、現在のような豚骨とかつお節ベースのスープとなったようです。

■なぜ10月17日は「沖縄そばの日」なのか?

現在、10月17日は沖縄生麺協同組合によって「沖縄そばの日」と制定されています。実はこれには注目すべきエピソードがあります。ことの発端は、1976年に公正取引委員会から沖縄生麺協同組合に「沖縄そばはそば粉を全く使っていないため、『そば』と表示してはならない」との通達が入ったことに始まります。冒頭で述べたように、沖縄そばには「そば」という名前は含まれているけれども、原材料にそば粉は一切使用しておりません。しかし日本では「そば」という名称を商品に表示するためには、そば粉を30%以上使用しなくてはいけない決まりとなっていたのです。

そこで、すでに「そば」の名前を冠して地元で愛されてきた「沖縄そば」の名前を守ろうと、当時沖縄生麺協同組合の理事長であった土肥健一氏らが「そば」の名称を存続させるために運動を展開しました。その甲斐あって、とうとう1978年10月17日に公正取引委員会から正式に「沖縄そば」の呼称認定を受けることができました。そのことを記念して10月17日が沖縄生麺協同組合によって「沖縄そばの日」と制定されたのです。

■「沖縄そば」と「ソーキそば」の違いについて

すでに沖縄そばを食べたことがある方の中には「自分が食べた沖縄そばはソーキそばという名前だったけど沖縄そばとどう違うの?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。ここではそれぞれの名称の定義を明確にしておきましょう。

一般的に「沖縄そば」といえば、冒頭でも述べたように主な具材として三枚肉(皮付き豚のバラ肉を砂糖醤油でじっくり煮込んだもの)が用いられます。三枚肉の代わりにソーキ(豚肉のスペアリブ)が用いられたものが「ソーキそば」と呼ばれます。細かく分けると、硬い骨のついた「本ソーキ」と柔らかい骨のついた「軟骨ソーキ」に分かれるようです。本ソーキの骨は硬く食べることができませんが、軟骨ソーキは柔らかいので食べることができます。味付けはどちらも砂糖醤油でじっくり煮込んだものとなってますので、あっさりとした沖縄そばのスープによく合うものとなっています。

沖縄そばには他にも具材にてびち(豚足)を用いた「てびちそば」、豚モツを用いた「中身そば」、地元の豆腐を用いた「ゆし豆腐そば」など多くのバリエーションが存在します。これらのバリエーションを総称した呼び方がいわゆる「沖縄そば」ということになります。

■かつては灰汁が使われていた?沖縄そばの麺の作り方

現在、沖縄そばの麺はその製造時に小麦粉と塩水、そしてかん水が使用されます。この中でかん水に関しては聞きなれない方も多いと思いますが、かん水とは中華麺などの製造に使うアルカリ塩水溶液で、小麦粉に混ぜることで麺に独特の触感や喉越しを与えるものです。なお、中華麺が黄色がかった色になるのもこのかん水が作用しています。

しかし沖縄そばの歴史においては、かつてかん水が入手困難であった時代に、ガジュマルなど沖縄で生息する樹木を燃やして作られた灰を水に浸してできた上澄み液(灰汁)をかん水代わりに利用していたことがあったようです。この灰汁もかん水同様にアルカリ成分を含んでいるため、麺に独特の触感や喉越しを与えることができたというわけです。

こうした伝統的な製法にこだわった沖縄そばレストランも存在し、そうしたレストランで提供される沖縄そばは「木灰そば」と呼ばれています。

■沖縄そばを食べるときに一緒に利用したい調味料「コーレーグース」

地元沖縄の沖縄そば屋では、赤い唐辛子が液体に瓶詰にされた調味料が必ずと言っていいほどテーブルに置かれています。これがコーレーグースで、正体は泡盛(沖縄の蒸留酒)に島とうがらしを漬け込んだ沖縄独特のチリソースです。アメリカで手に入れられる機会はなかなかないかもしれませんが、もし試す機会があればまずはこの調味料を入れずにスープ本来の味を味わい、お好みで数滴コーレーグースを入れて味の変化を楽しんでみましょう。

■アメリカで沖縄そばを提供するレストランについて

日本ではすでに全国区で人気を博している沖縄そばですが、アメリカの認知は残念ながら豚骨などその他のラーメンと比べてまだ小規模にとどまっています。ただ、ラーメン好きで新しいスタイルのラーメンを試してみたい人であれば、一度試してみる価値はあると思います。

アメリカで本格的な沖縄そばを提供するレストランは多くはないのですが、代表的なお店をいくつか紹介したいと思います。もし近くに足を運ぶ機会があれば、ぜひお立ち寄りください。

#1. Izakaya Habuya Okinawan Dining
14215 Red Hill Avenue
Tustin, California 92780
Website: https://izakayahabuyaokinawandining.com/

#2. Utage Restaurant & Lounge
City Square
1286 Kalani Street, B102
Honolulu, HI 96817
Website: http://utagehawaii.com/

#3. Uminoie
86 E 3rd St # 2,
New York, NY 10003
Website(Facebook): https://www.facebook.com/Uminoie-155573207813232/

■自宅で沖縄そばを作る

先に述べた通り、アメリカでは沖縄そばを提供するレストランはまだまだ多くはありません。それならいっそ自宅で沖縄そばを再現してみましょう!弊社で発売中のご当地ラーメンシリーズより、「OKINAWA SOBA」を使ったレシピをご紹介します。一般的な沖縄そばの簡単レシピから、明星USAアレンジレシピまで、3つをご紹介。お近くのスーパーで手に入る食材がないという方も、お好みのトッピングで自分だけのオリジナルレシピに!アメリカでおいしいラーメンや沖縄そばが食べたいと思っている方も、日本の伝統的な料理を作ってみたいという方も、ぜひ挑戦してみてください。ほかのラーメンとは一味違う、さっぱりとしていてそれでいて癖になるスープとコシのある平打ち麺のコンビネーションをぜひお楽しみください。

●基本のレシピ
沖縄そば

沖縄そば特有の平麺とかつお出汁の効いたあっさりとしたスープが特徴です。豚バラ肉、さつま揚げ、ネギ、紅ショウガなどをトッピングしてお召し上がりください。
レシピはこちら:
https://www.myojousa.com/recipe/okinawa-soba/

●まぜそばアレンジ
沖縄そば まぜ麺

まぜそば・まぜ麺とは、スープのないラーメンの一種。「OKINAWA SOBA」の付属スープパケットを使って、まぜそば用のソースが簡単に作れます。食べる前によくかき混ぜて、トッピングとソース、そして麺がよく絡み合ったコク深い味をお楽しみください。
レシピはこちら:
https://www.myojousa.com/recipe/okinawa-soba-mazemen/

●パスタアレンジ(ベジタリアン対応)
沖縄そば 味噌ジェノベーゼ

「OKINAWA SOBA」に使用している明星USAの生麺は、もちもちとしたパスタを食べているような食感を味わえます。ジェノベーゼペストの香りとともに、まろやかな味噌の風味を味わう一品です。
レシピはこちら:
https://www.myojousa.com/recipe/okinawa-soba-miso-pesto/

Myojo OKINAWA SOBAの詳細はこちら
https://www.myojousa.com/product_cat/regional/
Myojo OKINAWA SOBAが購入できるお店の詳細はこちら
https://www.myojousa.com/where-to-buy/

 

■最後に

沖縄そばはアメリカではまだ知名度はそれほど高くないですが、あっさりとした味付けのスープと弾力のある麺のコンビネーションは他のラーメンにはないユニークなものとなっているため、アメリカで現在手に入るラーメンを一通り試して新たな味のラーメンを模索しているラーメン好きの方にとっては、まさに待望の一品であるといえます。今回の記事を読んで沖縄そばに興味を持っていただけましたら、ぜひそのユニークな味わいを体験してみてください。
参考:

Wikipedia: 沖縄そば
沖縄そば組合のサイト -沖縄そばの沖縄生麺協同組合
和樂web: 幸せすぎる一杯♡「沖縄そば」の定義とは?八重山と宮古の違いは?おいしさと魅力を徹底紹介
沖縄面白探検隊 シーカウ・アドベンチャー:【沖縄そばとソーキそばの違いは何?トッピングの種類は?】
にっぽんの郷土料理観光事典:【沖縄そば】とは?発祥・由来と歴史を解説
メシ通:「沖縄そば」について僕たちはこんなにも知らない
デイリーポータルZ: かんすいの代わりに木灰を使う、伝統製法の沖縄そばを自作したい
デイリーポータルZ: 家庭料理としての沖縄そばを学びそして作る